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温泉・湖・滝・紅葉 - その2 [BMW R100R Mystic]


湯沢から北へ向かう17号線は流れがいい...と思ったのもつかの間、
すぐに市街地になって混雑が始まってしまい、再び関越道で小出まで移動。
そこから県道70号=小出守門線経由、国道252号で只見を目指した。
左右を深い山に挟まれた252号に寄り添うように、JR只見線が右、左に現れる。
列車とは一度もすれ違わず。


ぐんぐんと上って、六十里越トンネルを抜けると、眼下に田子倉湖が。
これから走る道の続きが、左側の山の斜面に傷のように見えている。
よくこんな険しい山の斜面に国道を通したものだなぁ。


一気にワインディングを下って、田子倉ダムに到着。反対方向から大型バイクも数台でやってきた。
クルマのドライバーは年配の夫婦や家族連れが多い。なかには喧嘩している夫婦なんかも。


一休みしてからダムの下流へ。さっき見たダムが絶壁のよう。


向かい側は只見ダム。ダムが2段に続いているのだ。


252号から南へ折れて、伊南川に沿った289号線で会津田島の町を目指す。
一時、山が遠くなるけれども、道を進むうちにまた左右から山に挟まれていく。


標高1000m台の駒止トンネルを抜けると、南会津上空の雲が一瞬赤く染まっていた。
5時15分。マジック・アワーなのだ。
ほんの数分で、赤みをおびた雲は普通の鉛色の塊に戻っていった。


今晩の宿は、会津田島の「ほっとかれ感」抜群のビジネスホテル(笑
フロントには、誰もいない。見ると、カウンターの上の電話で人を呼ぶようにと書いてある。
現れたのはチョッキを着て無精髭の目立つ、少しくたびれたシチリア人漁師といった感じの
年配の男性だった。訛りが強くて、なんだか日本人じゃないみたいな雰囲気を漂わせている。

部屋に入ってしばらくすると、「ポット、持ってきますた」と、その主人がドアの外で言う。
開いてますよ、どうぞ、と答えたのだけれども、何故かドアをほんの30センチほどだけ開けて
隙間から震える手を伸ばして古めかしい魔法瓶を置き、そっとドアを閉めて戻っていった。


夜7時を過ぎただけで、街は一気に明かりを落として静かになり始めていた。
「特製・会津ラーメン」という文字に惹かれて、駅前の食堂へ。
普通のラーメンが500円、特製...は800円だ。

出てきたのは、太目の麺に澄んだしょうゆ味のスープ、脂身の殆ど無い昔風の分厚い焼き豚と
大粒のなめこ、山菜の入ったラーメンだった。焼き豚をめくると、たっぷりのメンマも。
期待していなかっただけに、旨さが胃に滲みる。

相棒は、無事に家に到着していた。明日から、もう仕事なんだものな。頑張って下さい。

☆☆☆


翌朝、月曜日。
指定された時間にロビーに下りてみると、何とも殺風景な風景。貸しきり状態。
またカウンターの電話を回すと、シチリア人漁師が「これからご飯とお味噌汁を持っていく」、と言う。

ご飯はピカピカしていて、見るからに旨そうだ。茶碗でなく、小型のおひつ。しかし茶碗は無し。
結局、おひつから直接箸で食べたのだ(苦笑
塩鮭はかなりの厚みだし、うーむ、旨いご飯だ。
「新米でさ」
いつの間にか、無精髭の漁師は斜向かいにどっかと腰を降ろして煙草をふかしている。
貸切なので、マンツーマンなのだ(笑
「これから、何処さ行くっすか」
北へ、磐梯山の方へ行ってみようかと思ってるんです。もぐもぐ。
「あっちはいいねえ。で、今日けえんの?」
いや、いわきに泊まろうかと思ってます。もぐもぐ。
「あそー。まあ、ここはなんもねーから。ふづー(普通)。風情があるって訳でもねえす。ふづー」
いや、ワタクシにとっては普通じゃない、と言いたかったけれども、上手く言えそうもないので
なんとなくうなずいて聞いていた。
今年37になる娘さんは、東京に行ったきり帰ってこないのだと言う。


田島を出て、国道を避けて並行した名前のない道でしばらく北に向かうと
須賀川から抜けてくる国道118号にぶつかる辻で、
突然目の前をこんな古いメルセデスのレーシングカーが横切った。
その後も立て続けにカニ目のTR-3や深紅のアバルトなんかがワタクシの目の前を通り過ぎていく。
ミッレミリアの集団だった。堺正章氏なんかもいたのかな。


追走する間もなく、すぐに121号との分岐へ。
集団は左手の田島方向へ向かい、ワタクシは右折して会津若松へ。

市街地をすばやく抜けて、猪苗代湖もパスし、県道64号から磐梯山ゴールドラインへ向かう。
快晴で、かなり暖かくなってきた。


磐梯山ゴールドラインは、笑いたくなるような気持ちのいい道路だった。
概ね舗装も良く、メリハリのあるワインディングで磐梯山の西側を半周。
平日のおかげか、クルマが少なめで気持ちがいい。

紅葉を指差しながら談笑中の極低速走行車を直線で抜かせてもらいながら、一気に裏磐梯へ。
たまにはオリバーくんのエンジンも回してあげないと、ね。



ゴールドラインを下りきって桧原湖に出た。
35km程あるらしい外周路を時計回りに回ってみることにする。
湖の外側にも、こんな沼が点々と。


道の駅があったので、焼き栗やら産地直売の野菜の山を眺めていると
売っている女性にいきなり話し掛けている年配の男性の声が聞こえてくる。
「おら、けさ○○から来ただー、えれえ近いんべ」
「■■さんとこの近くけ?」
「ほらあ、■■んとこにばばあとじじがいたっぺ?んでー...」
ばばあ、って...(笑

ふと見ると、高原花豆の水煮の缶詰なんてものが。生産者:佐藤○○子、と個人の名前。
「それ、わたす!」
隣で話し掛けられていた女性が、いきなり振り返って自分を指差して笑っている。
あら、佐藤さんですか。じゃあ一缶いただきます。焼き栗も一袋。



桧原湖を一周して、磐梯吾妻レークラインへ。
一気に登ったところから、眼下に秋元湖。とにかく、裏磐梯の景色は雄大で気持ちがいい。
箱根と富士五湖を一緒にしたような感じ、かな。



安達太良山をかすめて二本松へ下る国道115号から、遠く福島~二本松市街を眺める。
この延々と広がる斜面を、やたらと幅の広い道路で一気に下っていくのだ。
ちょっと関東では似たようなロケーションが思い浮かばない。スケールが大き過ぎる。

郡山市街を避けて、二本松I.C.から常磐道に乗り、東へ分岐した磐越道の小野まで進む。


県道41号=小野四倉線は、JR磐越東線に沿って走っている。
夏井の駅で、ちょうどやって来た列車に遇う。


いわきへ向かう道の終盤は、渓谷を抜ける楽しい道に。
下旬には紅葉も綺麗になるんだろう。滝の水音と、野鳥の声。
地元のクルマが、時々ものすごいスピードでブラインドのカーブに突っ込んでいく。
対向車なんか来ないと信じているみたいだ。


いわき市街をゆっくり流して、湯本駅へ。今晩の宿泊地。
小名浜や勿来の漁港が比較的近いのだからと、駅前の寿司屋に入ってみた。
早い時間なのに、結構盛っている。カウンターに座って、先ず泡の出るものを。
今日のお勧めにあった秋刀魚の刺身。とろけるようで、旨い。


その後は、かつを、いわしの握りを。
いわしは目の前で一尾捌いて握ってくれた。ぴかぴか。
さばを頼むと、〆ていない鯖が出てきた。脂がのっていて旨い。

お勧めに書かれている「めぬけ」という魚、聞いたことがないので訊ねてみると
アコウダイのような見た目の白身の魚だと言う。少しこりこりとした感触があって、すっきりとした味。
「メヒカリは召し上がられました?」
メヒカリ?
「今の時期、旨いですよ」
勧められるまま握ってもらうと、丹沢湖のペヘレイとかシシャモくらいの大きさの小振りの魚だった。
さらっとして、なかなか旨い。後で聞くと、いわき市のシンボル的な魚だったらしい。ふうん。


適度な満腹と、泡の出る飲み物のおかげでいい気分で宿へ。
湯本の駅には、小学生の頃、毎年夏にやって来たはずなんだけれども、全く見覚えがない。
祖母の家に夏休みの度に遊びに来ていたのだ。江戸時代に建ったらしい、平屋の大きな家だった。

明日は、記憶を頼りに、その家を探してみようと思っている。
駅でさえ見覚えがないのに見つかるんだろうか....などと考えているうちに眠りに落ちた。

 


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コメント 16

へー八郎

毎度おおきに。
かっちょええっすねぇー(≧▽≦)
バイクは勿論ですが、このベンツ(?)も凄いですよね。
ついでにお寿司見て死にそうにお腹減りました(この時間帯は辛いっす)。
by へー八郎 (2006-10-21 02:44) 

momongaz

自然たっぷり、気持ち良さそうですね~:)
by momongaz (2006-10-21 07:48) 

ホントharryさんのツーレポは自分が行った気になってしまうから素晴らしい!
実際に只見から裏磐梯へはよく行ったところだし、僕もR115から福島へ抜ける道の途中、広大な景色が大好きです。
東北弁も臨場感が出ていて、なんだか行きたくなっちゃいました。
今度の休日にでも行こうかな。
by (2006-10-21 08:48) 

ちえちえ

秋刀魚の刺身!
盛り付けもナイスで・・・これはたまりません。

←名刺の文言もナイスですよ、harryさん(笑)
by ちえちえ (2006-10-21 18:32) 

knacke

このホテル、緊張します・・・。(大汗)
by knacke (2006-10-21 18:32) 

knacke

イワシの握り、だいだいだいだいだいスキです。
なんとかしてください。(大泣)

コメント途中なのに、うっかり送信しちゃった。
書き直したかったのに、消去できなかったの。
ごめんなさいです。
by knacke (2006-10-21 18:34) 

ベテイ

おっ!旅物語。語り部harry!
興奮して読んでた。
by ベテイ (2006-10-21 20:31) 

YASH

初めからほっとかれるホテル、いいなあ
呼べど叫べど、ほっとかれまくりの民宿はたまにありますけどね(笑)
おひつ直食いの宿は私も何度か経験ありますけど、
食べきれた例がないので申し訳なくって居心地悪いです…。

旅先で、しかも回らない寿司というのが大人の証ですね。
私は来週、どこでなにを食べるのかな。。
by YASH (2006-10-22 00:21) 

harry

☆あ、へーさま!お久しぶりです。
 実はしばらく人生の夏休みを戴いておりまして。
 このクラシックカーの集団、なかなか豪華でした。特にこの銀色のはお金も手間も掛かってそうです。
 寿司、やっぱり港の近くは旨いんですねぇ。当然なのかもしれませんが。

☆momongazさん、いらっしゃいませ。
 普段、山梨や長野方面に出掛けることが多かったので、ちょっと新鮮な景色でした。気持ちよかったです。

☆eddieさん、楽しんでいただけたら嬉しいです。
 このルート、クルマでも楽しそうですよね。実際気持ち良さそうにドライブしている人を大勢見かけました。それにしても115号線からの眺望、素晴らしいですね。また行きたいものです。

☆ちえちえさん、こんばんは。
 ここ、近くの小名浜港は秋刀魚がたくさん揚がることで知られてるらしくて。
 その場で捌いてもらって、さすがに旨かったです。丸ごと一尾。
 名刺...でしょ(笑

☆きむたこさん、えー、ここのホテルはベッドもふずー...
 じゃなかった、普通に大きいし、だめなの?
 ま、主人とマンツーマンなのは僕も緊張したけど(苦笑
 いわしの握り、今までの短い人生で食べたいわしの中でも、特別に旨かったです。ちょっと自慢。自慢する以外、なんともできません(笑

☆ベティさん、こんばんは!
 はい、もうすぐ社会復帰の迫った語り部でございます(笑
 あ、ちょっと興奮してくれた?真面目に書いた甲斐があったかな。

☆YASHさん、かなりほっとかれました(笑
 で、ご主人は普段は222号室でごろっとしてるんですね。いい暮らし。
 ここのおひつ、ちょっと小さめで、頑張って何とか空っぽにしました。食事が旨いと言ったら、手作りでやってるんだと胸を張ってましたよ。
 寿司屋、それでも何軒か並んでいて、一番入り易そうな店にしたのです。でも、板さんと話しながらお勧めを握ってもらうのもたまには良いものですね。
 来週....コンビニのパンだけは止めましょう(笑
by harry (2006-10-22 23:11) 

harry

☆MORIHANAさん、UFOさん、かみねんどさん、nice!ありがとうございました。
by harry (2006-10-22 23:48) 

只見は鉄道で風光明媚なところと出ていましたが、走っても面白そうですね。
ミッレと遭遇されたんですか!やはり乗り物は止まっているより走ってるものを追いかける方がさぞかし楽しいでしょうね~。私も予定の方角とは違ってもついついスーパーカーの後ろを付いて行ったりしちゃいますもの。(笑)
by (2006-10-23 00:44) 

kokudoh

サンマのお刺身、美味しいですよねー。
しょうが醤油で食べると最高です。
東京で売っているサンマだと、
ちょっと刺身にするには、って感じですから、
この時期の海沿いの町でしか食べられない
味ですね。
by kokudoh (2006-10-23 23:51) 

tanuki

秋の景色、ダム、美味しいお刺身、レーシングカー、ホテルの味のあるおじちゃま・・・五感を全て刺激させられる記事ですね♪(笑)
東北弁の描写、親戚のことを思い出して懐かしい気持ちになります。(^^)
あ〜、そろそろ、みちのくへの旅に出たくなります〜♪
by tanuki (2006-10-24 09:26) 

barbie

コメント書きに戻ってきました。うちも車で出かけると夫婦げんかになります。マイハーレーで出かけるようになってからすっかり快適です。「(免許取ってから)一年経ったからタンデム出来るんじゃない?」というダンナの問いかけは無視しました(爆)
なめこたっぷりのラーメンもいいし、素朴な道の駅がいいですね。ほっとかれ感大のホテルは私も好きです。震える手は怖いですが(^_^;)
by barbie (2006-10-25 00:18) 

GS-XR

いわきに師匠の実家があるので、夏には毎年、福島方面へ出かけます。
今夏にゴールドラインを走ったはずなのですが、風景を楽しむ余裕もなく
駆け抜けてしまったので(笑)、harryさんの写真を見て風景を思い出しているところです。紅葉が始まったようで綺麗ですね。
季節が変わったので、また行って見たいと思います。
(ソロのときは、のんびりツーリングです(笑))
by GS-XR (2006-10-27 12:53) 

harry

☆kenpaさん、毎度おばんです。
 只見線沿いの国道、かなり楽しいですよ。信号少ないし。
 ミッレの集団にはびっくりしました。でも、僕が出会った小さなT字の交差点にもちゃんとスタッフが旗振りをしていて、トータルで何人の人が働いているのかと思うと気が遠くなりそうです。
 実は、この日の夕方に福島県内のとある県道のスタンドで給油したら、そこのご主人もミッレ出場経験ありとかで、またびっくり。もう少し併走してみたかったですねー。

☆takさん、こんばんは。
 秋刀魚の刺身、笑ってしまうくらい旨かったです。しっかり生姜つけて。
 メヒカリという魚も、なかなかいけました。魚は近くで獲れたものが一番ですね。ちなみに、小振りな魚でしたけど深海魚だそうです。

☆tanukiさん、こんばんは。
 結構盛り沢山な一日だったんですよね、振り返ってみると。
 で、一番印象が強いのは....ホテルのおじちゃまだったりして(笑
 東北もいい所が多そうですね。今回通った道はどれも素晴らしかったです。
 tanukiさんも、何泊かするような一人旅、一度いかがですか?

☆barbieさん....思いっきり笑いました(笑
 ちなみに、ダムで喧嘩していたご夫婦、奥様が旦那に向かって
 「あなた、いつも口ばっかりで出来やしないじゃないっ!もうっ!」って(苦笑
 旦那は聴こえないフリをしてそそくさと歩いていきました。
 そういう旦那にはならない様に気をつけようっと(汗

 ホテルのおじさん、男っぽくてカッコよかったんですよ。震えてたけど(笑

☆GSさん、いらっしゃいませ。
 あ、いわきですか。いいところですよね。広いけど。
 裏磐梯エリア一帯は、何日でも潰せそうですね。僕は、来年の暖かい時期にまた出掛けてみようと思ってます。桧原湖の北へも行ってみなきゃ。
 一人っていうのは、何処でも停まれていいものですよね。
by harry (2006-10-28 22:36) 

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