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自分の内なる声を聞く。 [分類できません]

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この夏に、仕事の関連であまり身近ではない分野の資格を取る必要があって
久しぶりに勉強をして試験を受けた。
普段の仕事の日は、家に帰ってきた時にはもうそれなりに頭も疲れているので
試験勉強などというものに取り組めるのは休みの日くらいしかない。

オートバイにも乗りたい。妻とのんびり散歩にも行きたい。
でも、そういう時間を何処かで削って、集中してテキストを読み
頭の中にその試験の分野の「世界の成り立ち」のようなものを自分なりに造っていく。
最初の1時間ほどは霧の中の見知らぬ山道を這いつくばっているような感覚だったものが
段々と図面のようなものが浮かび上がってきて、
何時間か経った頃には、ある程度は他人に道案内ができそうなくらいになってくる。
そういう風に自分の中に新しい世界の地図のようなものが出来上がっていくのは
悪い気分ではない。

そんな短時間でおぼろげに造り上げたつもりの地図をイメージして、試験を受ける。
結果は幸い、2科目とも合格だった。
それぞれ20問ずつ、どちらも1つずつ不正解があったようだった。
悔しいような気もするけれども、俄か勉強でそんな結果ならよしとした方が良いのだろう。


☆☆☆


先週の休みは、その2回目の試験勉強で終わってしまった。
今日は、合格したことのご褒美に、妻と映画を観に行くことにした。
我が家から一番近い大型の映画館。「風立ちぬ」。
映画館のふかふかとした座席に深く腰掛けて、少しの間、日常のことを忘れて。
久々に味わう小旅行のような気分だった。


駐車場に戻ると、クルマのドアにかなり大きな凹みが出来ていた。真新しい白い塗装が擦れた痕も。
隣に停めようとした誰かが派手にドアをぶつけて、そのまま立ち去ったということはわかった。
映画の印象も、妻と話そうと思っていたことも、一瞬消え去りそうになった。
不条理な話だ。

数分、いろいろと考えはした。
けれども、結局のところ相手がここに居ないのであれば、どんなに理不尽な出来事であっても
「既に起こってしまったどうしようもない事」として受け入れざるを得ないのだ、
と考えることにした。
そんなことに怒りのエネルギーを費やしてしまうことよりも
今日のワタクシにとってはもっと大事なことが沢山あるのではないか。

少し無理があるような気はしたけれども、静かに家に帰って、妻と向かい合って食事をして
映画の感想を口に出し始める頃には、もうこのことは頭のかなり片隅に追いやられて
たまたま起きた小さな出来事として抽斗にしまうことができそうなくらいの大きさになった。


☆☆☆


かなり以前にも書いたけれども、我々の生きている世界なんて
元々不条理なのが普通の状態なのだ。
そんな不条理で理不尽な世界に漂いながらも、自分なりの幸福を得たいと
ワタクシは静かに、強く願っている。
せっかく生まれてきたのだもの。どうせそのうちに死んでしまうのだもの。
自分の身に起きたことについて、他人のせいにしたり、社会を呪っている暇は、ない。

自分が何を求めているのか、何をしたいのか、いつもまずは自分に訊く。
その内容に一度納得したならば、一歩進めて実行してみて、またその結果について自分に訊く。
これがしたかったことなんだったっけ?
どうだった、やってみて良かった?

後悔はほとんどしない。反省は時々。次の欲求が湧きあがってきた時に教訓として生かせれば
後悔なんてしてもあまり意味がない。だって、もうやってしまったんだから。

やってみようかと思いつきながら、何かを心配して
やらずに済ませてしまったことを後悔するのは一番したくない。
何にせよ、やってみようかと思った時の自分の思いを
形にして確認して生きていきたい。

そんな風にしてワタクシは何度か仕事も変え、妻と出会って、住処も変えて今に至っている。
大まかなところでは、決断して良かったと思うことがほとんどだ。
そう思えるのは、かなり幸せなことなのだろうと思う。


☆☆☆


「風立ちぬ」を観終えて、最初に漠然と思ったことは
世の中は残酷な仕組みで動いているのだな、ということだった。
自分の夢を追い続ければ何かを見殺しにすることもあるし
美しいものは失われてから気が付いても、もう取り戻せない。

ワタクシという人間も、基本的には冷淡で、自分本位で
他人に対してきっと無意識のうちに様々な残酷な対応をしてきたのだろうな、ともあらためて思った。
でも、それがワタクシという人間の生き方なのだとしたら、少しばかり考えてみたところで
50年近く生きてきた人間の基本的な成り立ちはそうそう変えられるものではないのだ。
それもきっと残酷な仕組みの一環なのだけれども。


ワタクシにとって一番の救いは、妻と出会ったことと
オートバイという乗り物がこの世の中に存在していたことだ。
このとりとめのないブログに、その二つが極めて頻繁に登場するのは
そういう意味でごく自然なことなのでした。

これからも大事にします。以上。

A catcher in the rye..JPG

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コメント 13

FTドルフィン

僕は今年の春
なんとも納得のいかない背景により
25年働いた職場を去りました。
今、働いている所は
いろいろ以前とはシステムが違っていて
なんともシックリこない状態が続いています
とりあえずは流れに乗ってみようかと・・・

harryさんの思っていることは
とても共感しちゃうんですよね

harryさんに、会いたいなぁ〜・・・(笑

by FTドルフィン (2013-10-09 21:36) 

harry

☆FTさん、こんばんは。
 そう、世の中納得のいかないことも多いですね。
 でも「とりあえず流れに乗る」っていうのは、
 自分もとても大事だと思います。仕事の場合は、特に。

 僕は結構自分勝手&自信過剰で突き進んできたような気がするんですけど
 そういう自分の生き方が人によってはとても迷惑になってしまう
 こともあるのだと最近ようやく感じるようになりました。
 まずはその世界の仕組みを知って、そこに自分の居場所を上手く
 造れるかどうかは、自分次第なんですよね。

 なんていう話を何処かの山の寂れたホームのベンチでしましょう(笑
 そこに猫も居てくれるといいなぁ...
 
by harry (2013-10-09 22:31) 

たくや

資格試験、合格おめでとうございます。
私は、我が道を突き進むタイプだからな~・・・
by たくや (2013-10-10 09:56) 

SHIN

こんにちは、SHINと申します。
55歳、かれこれ7年、何度かの倦怠期を乗り越えmysticに乗っております。結構な以前からブログ拝見していますが、初めてのコメント書き込みです。
連なる山と続く道、麦畑に佇むmysticの2カットとharryさんの内なる声、しみじみと滲みて、思わず目がウルウル。
秋のせいか、歳のせいか…
by SHIN (2013-10-10 20:47) 

HIRO

こんにちは。
試験合格おめでとうございます。
車の件は、ウチも最近エッジアタック喰らったので、御気持ちは良くわかります。
後悔先に立たず?反省して二度と悔しい思いをしない様に気持ちを持って行くしか無いですね。

不条理な事も多いけど、それにも増して支えてくれる人達も居るから...
by HIRO (2013-10-10 21:12) 

harry

☆たくやさん、どうもありがとうございます。
 我が道、時々よく見えなくなったりします(笑
 迷うのもまた楽し、です。

☆SHINさん、初めまして、こんばんは。
 こんなコメントしづらい記事に書き込んでいただき
 ありがとうございました。
 Mysticは不思議なバイクですね。王道からは少し外れていて
 ブランドの威光があまり強く感じられないのが、かえって
 自分には合っているような気がして愛着が深くなりました。
 生活の伴侶の様であって、非日常の友のようでもあって。
 秋、これからしばらくが自分は一番好きな季節です。

☆HIROさん、こんばんは。いつもありがとうございます。
 普段は広い駐車場だと端っこの方に停めるようにしていたんですけど
 風が強くて一瞬小雨も降ってきたりして、つい日頃と違うことを
 してしまったらこんなことに。
 でも「クルマは日常生活の道具だ!」と思いこむことにして
 なんとか立ち直りました(笑
 ほんとに、周りの人達に支えられてますね。

by harry (2013-10-10 23:41) 

うえいぱうわ

世界のありようって、自分の受け止め方次第で
どうにでも変化する、させることが出来るって
ことなんでしょうね。
まあ、怒りにとらわれると、ろくな結果になら
ないしなあ。
by うえいぱうわ (2013-10-12 17:29) 

ナツパパ

おそらくわたしも、harryさんと同じように、いえ、ひょっとしたら
もっと盛大に自分本位で過ごしてきたのかもしれません。
気付かなかったが故に、わたし個人は助かっている場合も多い、
と思うのですが。
後ろめたさを秘めていない人間は付き合い難いなあ...
...というのは、わたしの偏見です(笑)
by ナツパパ (2013-10-12 18:07) 

rascal

風立ちぬ を観ていて・・・

ドイツ製の元航空機メーカーのマシンを選んだ自分は幸せだなぁ という事でした。
それと、こだわりと情熱。
ドイツ人と日本人に共通した職人魂みたいな物が丁寧に表現されていたように思います。

名曲ひこうき雲を使ったのがまた泣かせますよね。
まあ、ひこうき雲という曲は個人的にはアルバムの最後に収録されていたデモテープバージョンの方がテンポがスローで好きなんですけど。

自分の内なる声は・・・
人からどう思われるか よりも自分が人をどう思っているかが重要なこと。

あとは・・・
働き者として死んで行くより、怠け者として生きて行こう。
それで、何が悪い!(笑)
by rascal (2013-10-13 00:01) 

Nori

怒ったり泣いたりもたまにはいいかなと。
何も感じなくなることの方が怖いわと思いますし。
ただ、平穏無事に生きていくことがこんなに難しいとも思っていませんでしたけれども。
幸せについては、誰かが言ってた、Don't think, just feel.が正しいのかもしれません。
奥様によろしく。←精一杯の格好付け
by Nori (2013-10-13 21:07) 

harry

☆うえいぱうわさん、仰る通り、世界は自分の捉え方次第ではないかな
 と思っています。楽しいと思えば楽しく、ひどく不公平でどこにも
 楽しみなんか無いと思えば無いんでしょうね。
 自分は出来れば楽しく生きて行きたいと思っているので、そういう意味で
 優先順位として「怒って過ごして時間がすぎていく」というのは
 もったいない気がしてしまうのです。

☆ナツパパさん、こんばんは。まさに自分も、自分が気が付かない所で
 随分な態度で生きてきて、気が付いていなかったが故にあまり
 傷付かずにここまで来てしまったような気がしてます。
 「後ろめたさを秘めていない人間は付き合い難い」ということ、
 仰る意味合いは解るような気がします。表に出す必要はなくても
 自分を時には疑ってかかることをしない人は、ちょっと苦手です(笑

☆ラスさん、自分もあの映画で描かれていたドイツ人の機械に対する
 愛情のようなものには共感しています。
 今のマシンにも、連綿と引き継がれているものがありますしね。

 ただ、個人的にはあそこで「ひこうき雲」が出てくるのには
 ちょっと違和感があって。どうしても「飛び降りて死んでしまうお話」
 というイメージが強すぎるせいかな。
 
 自分は働き者ですり減るのも意外に嫌いじゃないんです(笑
 休みの前の晩に感じるしみじみとした開放感が好きなの。

☆Noriさん、別に怒ったり泣いたりするのを我慢したり
 避けているわけではないんです。どうぞご心配なく。

by harry (2013-10-16 22:43) 

POWERED

試験、お疲れ様です。
風たちぬ、私も観ました。
あの映画はイロイロと考えさせられましたね。。。
これからもR100Rと奥様をお願いします(^-^*
あ、CLも(笑)

余談ですが、
映画の主人公と、Wikipediaの主人公の写真、似ています!
by POWERED (2013-10-17 03:34) 

harry

☆POWEREDさん、こんばんは。
 あの映画は観る人によっていろいろと響く所があって
 そういう点では素晴らしく良くできた作品だと思いました。
 自分は子供の頃に飛行機大好き少年だったので、モデルになった
 堀越二郎さんにも親近感が湧いてすんなり入り込めました。
 写真で拝見しても、なんだかお洒落さんですよね。

 自分の持っているマシンの中では、意外に一番飛行機に近いのは
 CLのような気がしています。軽さが良いんですね。
by harry (2013-10-18 23:37) 

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